ダンス大作戦会議
2020.07.23

「ダンス大作戦会議」
2020年7月23日 17:00~18:15 @ SCOOL
『課題曲』公演終了後、「ダンス大作戦会議」を開催しました。新型コロナウイルスによって大きく変化した世界の状況を受けたダンスの現在地について意見を交わしていく場です。 観客も含めた様々なダンス当事者が集い、その場で話し合いたいトピックを募り、率直な議論が展開されました。
–
「ダンス大作戦会議」議事録
参加者:出演者、スタッフ、観客合わせ、20名程度
司会:Aokid
書記:渋革まろん
●コロナ禍で変化したこと
・久しぶりの観劇で、長時間座っているのが辛くなった
・オンラインだと自由にダラダラしながら見られる。礼儀など関係なくなる。
・コロナで見たいものが変わったりした?→長い小説を読むようになった。旅行動画をよく見る。
・距離的に遠い人、海外の人とやりとりが増えた
・”くつろぎ”モードの可能性が見えた。オンかオフかではなく、50:50の方法の可能性
・過去のドラマでも、人の間に「密」状態が見えると気になる
・通行人がマスクを路上で外す瞬間=その人の意志が見える瞬間。外す行為が意思表示になる。
・挨拶するタイミングを逃すようになった。店員と目を合わせづらくなった。マスクをしているので、逆に大声で話すようになった。
●久しぶりのライブ公演はどうだったか?
・マスクで呼吸が苦しくなりやすいので、自分の身体により意識が向きやすくなった。あえて力を抜きながら見た。
・こういう小空間では、ライブの方が動きが全部見える。
・配信だと、映像作品として作られたものの方が、完成されたものとして見える。カメラワークが大事。
・PC、スマホ、TVモニタなど、見るデバイスによって中身の見え方、印象が変わる。視聴する側が最適なものを選べるようになるといい。
・カメラが定点だけだとディテールが見えず、わかりづらい。
・カメラが3視点くらいあって、見る方が自由に切り替えながら見られるように将来的になるといい。
・生の身体が目の前にあることのアドバンテージはまだあるのか?という問い
・「課題曲」公演で出演者の1人が後ろ向きで服を脱ぐ場面で、観客とのインタラクションを感じた。ライブだと観客の身体を使ってパフォーマンスすることができる。
●映像の可能性、ライブとの違い
・映像だと見るものが「情報化」される
・見る人もマシーンの目になる。それを意識化できる作品だと面白い。「課題曲」での手塚夏子さんの映像など。
・カメラを通すことで情報量に気付ける。直接目で見ていると自然に取捨選択している。
・オンラインの視聴だと、見る側の責任が軽くなる。第4の壁が厚い。
・ライブだと、いきなり刺されたりするかもしれないなど、危険を引き受けて舞台に立っている。
・ライブパフォーマンスの濃厚な受け取り方が苦手な人は、逆に映像の方が見やすい場合もあるかもしれない。
●野外を使うことの可能性
・夜間、暗い中で車のライトを付け、その光の中で踊ると、それだけで劇場的な空間になる。劇場を外に作る方法はたくさん考えられる。
・野外でやる場合は、入場料ではなくチップ制・投げ銭制にする。
・ヨーロッパのように、路上にレストランの席を作るようなことを考える。
・神奈川県庁前の路上が歩行者天国になっている。申請すればパフォーマンスできる。
・東京都のヘブンアーティストに登録する。
・SCOOLなどイベントスペースの意味はまだあるのか?→観客や空間の「圧」を感じられるのがいい。具体的な場所というゴールがあると作品の形を考えられる。
・今までなんとなく形式を決めていたのを、言語化する必要が出てきたのはいいこと。
・観客の存在で踊りが変わる。自分がパフォーマンスする前提条件(=ライブ)を改めて自覚した。